2010年10月14日

子どものうつ病

東京医科歯科大学・精神行動医科学の西多昌規です。
今回は、コーチングクリニックに投稿した記事をご紹介しましょう。

「子どもにも忍び寄る“うつ”の陰 そのとき指導者、保護者の対応は…」

というタイトルです。



COACHING CLINIC (コーチング・クリニック) 2010年 11月号 [雑誌]




大学病院でのわたしの精神科の外来でも、アルバイトでのメンタルクリニックでも、小中学生の不登校、引きこもりの相談はよく受けます。
不登校の子どものなかに、実は統合失調症やうつ病が隠れています。

子どものうつ病には、ある特徴があると言われています。

・医者に行ってもなんともないと言われる、原因不明の体調不良
・落ち込んでいるだけじゃなく、不機嫌、イライラも目立つ

です。心当たりはありませんか?


現代の精神医学では、うつ病はDSM-IVという、アメリカ精神医学会が作ったマニュアルに基づいて診断しています。
しかしこのマニュアルには、「出世うつ病」「引っ越しうつ病」「燃え尽き症候群」
といった、生活環境に反応して発生するうつ病についての充実した記載はありません。

子どもにも、「出世うつ病」はありえます。
たとえば、

 部活のキャプテンを任された
 学級会長になってしまった

 
プレッシャーがかかると、うつという形で現れることもあるのです。

プレッシャー、ストレスは、克服していくことで人間的成長がはかれます。
しかし、不眠や食欲不振、不登校などが現実問題として目立ってくれば、医師やカウンセラーなどのヘルプを仰がなければならないケースもあります。

うつ病についての知識、処方箋、対処法など、わかりやすく記事にまとめたつもりです。
子どもを持つ親御さんから、子どもを教育・指導する立場のかたなど、参考になればうれしいです。

posted by fifss at 12:42| Comment(0) | 精神医学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月08日

臨床精神医学とスポーツ

昨年冬にFIfSS客員研究員になったばかりの西多昌規です。
現在は、東京医科歯科大学大学院精神行動医科学分野(長いですね!)の助教(4月から講師)を勤めています。睡眠脳波の学位を内田直先生に指導していただいた縁で、コラボレーターとして誘っていただきました。医科歯科精神科の医局では、内田先生の後継者と目されているようですが、スポーツ精神医学はビギナーですね。

自分の専門としては、うつ病や双極性障害など気分障害、睡眠障害の診断治療、それに脳波など生理学的研究ですが、ハーバード留学中に睡眠と認知の研究もしていました。現在は、大学病院の精神科医として、患者さんの診療や学生や研修医の教育に、ほとんどの時間を費やしています。しかし研究活動や一般講演活動にもチョコチョコと動いています。去年は「脳を休める 睡眠と脳科学の新しい常識(ファーストプレス)」という一般書を出版させていただきました。


脳を休める

脳を休める

  • 作者: 西多昌規
  • 出版社/メーカー: ファーストプレス
  • 発売日: 2009/10/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)





研究内容ですが、研究進行中および計画中のものは、以下の通りです。あまり一気に解説してしまうとネタがなくなってしまうので、小出しに話していきましょう。

1. うつ病患者の睡眠段階評価および運動記憶の固定について
2. 睡眠ホームモニタリングの開発
   (ソニー先端マテリアル研究所とのコラボ)
3. Mirtazapine(抗うつ薬)が情動トラウマ記憶の定着に与える影響
4. 経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の睡眠、記憶に与える影響
5. 運動と記憶定着との関連性について
6. うつ病寛解期の運動療法について


FIfSSとのコラボは、特に1,5,6で実現させていきたいと考えていますが、ほかにsuggestionがあれば、積極的に取り入れて検討したいと思っています。

うつ病、睡眠、スポーツ、記憶学習とは、実際の臨床現場でもリンクしていると思っています。今月からの自殺防止キャンペーンでは、「お父さん、眠れていますか?」など睡眠がキーワードになっています。うつ病社会復帰には、薬剤だけでは限界があり、適切なリハビリテーションプログラムが必要です。これはまだまだ未開拓な分野で、スポーツ、適切エクササイズなどの重要性がもっと研究されていいはずです。
まだまだ仕事はこれからのところが多いのですが、情報発信していきたいと思っています。

Dr.西多昌規のブログ
Twitter @masaki_nishida

のなかでも、有益なものから無益なものまで、つぶやいたり書いたりしております。

客員研究員のなかでは、小川景子先生、宮崎真先生(2006年アトランタのSfnでいっしょに食事しました、覚えておられるでしょうか)が、存じているメンバーです。ほかのメンバーの方々とも、直接お会いできる日を楽しみにしています。
posted by fifss at 11:06| Comment(0) | 精神医学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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