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2011年04月22日

英語で論文を書くために

自分の研究成果を世界中に発信すること、それを想像するだけでワクワクします。ただ、そのためには英語で論文を書かなくてはなりません。それが私にとっては、まだまだ大きな障害です・・・。

英語論文の執筆に悪戦苦闘している中、私がやっていること、それをつらつらと書いてみようと思います。「そんなことやってるの」なのか、「そんなことも知らなかったの」なのか、どちらなのかは分かりませんが、笑われる方も多いかもしれません。そんな声を聞くのを覚悟の上で、一人でも、少しでも、参考になれば幸いです。

1.使いたい英単語、イディオムのメモを作る。
語彙力が乏しいため、どうしても表現が単調になってしまいます。そこで、論文を読んでいる時、「将来的に論文で使いたい」「使えるようになりたい」と思った表現をメモするようにしています。たとえば、「By furthering our understanding of」という表現、自分の論文で使えたらかっこよくないですか?そして時々、そのメモを読み返しています。
【注意】この“メモ作成”を始めると、論文を読みながらいつも横道に逸れてしまうので、論文を読み終わらないことが多々あります。

2.関連語を使う。
多くの方がWeb LSD(http://lsd.pharm.kyoto-u.ac.jp/ja/service/weblsd/index.html)を活用されていることと思います。このサイトは、単語の意味を調べるだけでなく、「関連語」も出てくるので、非常に重宝しています。たとえば、「興味深いことに」と書きたいけど「Interestingly」しか思い浮かばない場合、「Interestingly」を検索すると「Intriguingly」が関連語で出てきます。「Intriguingly」と書いた方が、なんとなくかっこいい感じがしませんか?

3.英語共起表現を使う。
これもWeb LSDの機能のひとつで、かなり良いです。私は最近、この機能を知りました。きっかけは、「ライフサイエンス英語表現使い分け辞典」に書かれていたコラム「Evidence Based Englishのすすめ」を読んだことでした。そこには、こんなことが書かれてあります。

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「可能性を示す」と書きたいとき、日本人は「suggest a possibility」「There is a possibility」「show the possibility」などとと書きたがる。しかし、「possibility」と共起される英単語は「raise」である。したがって、「raise the possibility」を積極的に使うことが賢明である。
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実際、Web LSDに「possibility」と打ち込み、「英語共起表現」で検索し、「2語前でソート」すると、圧倒的に「raise」を使った表現が多いことが分かります。その他、「One possibility is that」という表現も実際に使われていることが分かります。このように、この機能を活用することで、「その単語と一緒に使うことが望ましい単語」や「実際に論文で使われている表現」を、日本人の感覚に頼るがための間違いを犯すことなく、使えるようになります。

4.最終兵器、Google " " 検索。
自分で書いた英文が実際に使われているのか、それを調べたいときに使っています。検索したい文章を"(ダブルクォーテーション)で挟み、Googleで検索します。

たとえば、「この結果はAと解釈することができるかもしれない」と言いたいとき、私は「It might be possible to interpret these results that A」と書きました。そこで、Googleで「"It might be possible to interpret these results that"」とその文章全てを"(ダブルクォーテーション)で挟んで検索します。すると、ヒットしませんでした・・・。そこで次は、「"It might be possible to interpret these results"」とthatだけ削除して検索します。すると、resultsの後にtoやasが実際に使われていることが分かります。そこでtoやasを使った文章へと修正していきます。

このように、自分が書いた文章が実際に使われているかを調べることができるので、個人的にはかなりよく使ってます。そこで気付いたことは、自分の感覚で書いた文章がヒットしないことがなんと多いことか・・・。実際、「"It might be possible to interpret these results"」も8件しかヒットしません。私の書いた文章がいかにまどろっこしく、使われていない表現であることも分かり、自分の英語感覚のズレを痛感しています。ただ、「実際に使われている実績がある」ことを知ることは、書いている本人の安心材料にはなります。


と、こんなことをしながら、もがきながら、今、英語で論文を書いています。この投稿を最後まで読んでいただいた方は、きっと、私と同じように英語に苦労されている方ですね(笑)。お互い、頑張りましょう。

西島@首都大



posted by fifss at 22:09| Comment(0) | 研究一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月18日

宮崎真研究員、平成23年度 文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞!


宮崎真研究員 (高知工科大学総合研究所・准教授) が、平成23年度 文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞しました。

受賞業績名:「身体知覚の時空間的適応性の研究」

業績概要:
  我々ヒトは、経験や道具の利用によって自らの行動を向上・拡張させることができる。表出する身体運動の背景では身体知覚も適応的変化を起こし、我々の柔軟な行動を支えている。ヒトの身体知覚が如何なる適応機序を有するのかは身体教育学、スポーツ科学の重要課題の一つに挙げられる。
  心理学的・神経科学的測定と数理モデリングを組み合わせた研究手法を用いて、(1)経験に基づく身体時間知覚の最適化現象(体性感覚の時間順序判断におけるベイズ較正)、(2)手にした道具への身体知覚の拡張−脳における 道具の身体化−を示す錯覚現象(身体を跳び出す皮膚兎錯覚)を報告してきた。
 これらの研究成果は、ヒトの身体知覚に関する基礎研究に新たな展開を生む重要知見であると同時に、効果的な身体技能訓練法、身体に馴染み易いスポーツ道具や義肢・装具の開発等への貢献が期待される。

主要成果:
Miyazaki M, Yamamoto S, Uchida S, Kitazawa S. Bayesian calibration of simultaneity in tactile temporal order judgment. Nature Neuroscience 9: 875-877, 2006
http://www.nature.com/neuro/journal/v9/n7/full/nn1712.html

Miyazaki M, Hirashima M, Nozaki D. The “cutaneous rabbit” hopping out of the body. Journal of Neuroscience 30(5):1856-1860, 2010.
http://www.jneurosci.org/content/30/5/1856.full

高知工科大学によるお知らせ
http://www.kochi-tech.ac.jp/kut_J/kuttopics/cgi/diary.cgi?no=343
文科省によるお知らせ【下方、若手科学者賞 受賞者一覧(PDF)の69番に記載】
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/04/1304367.htm

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内田直 (FIfSS所長)


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2011年04月14日

TMS-EEGをきれいに録る!

こんにちは,研究員の関口浩文です.

桜も咲き,暖かくなってきた今日この頃,いかがお過ごしですか?
連日,原発のこと,余震のことが報道され,落ち着かないと同時に,被災地のことを思うと何かしなければと,コンビニ行っては小銭をチャリンしている今日この頃です.

仙台には親戚も多く,一応無事との報告はありましたが,心配ですね.

さて,今日は,昨年9月にacceptされ,ようやく先日ページが入った以下の論文についてお話させていただきます.

TMS-induced artifacts on EEG can be reduced by rearrangement of the electrode's lead wire before recording.
Sekiguchi H, Takeuchi S, Kadota H, Kohno Y, Nakajima Y.
Clin Neurophysiol. 2011 May;122(5):984-990.

この論文の内容は,以前このFIfSSのシンポジウムでも一部発表させていただきました.

この論文は経頭蓋磁気刺激(Transcranial Magnetic Stimulation: TMS)によって経皮的に脳を刺激した時,脳内で発生する電位,すなわち刺激によってfiringした神経の活動とそれにつながりがあり,firingし易くなっている神経の活動を反映する脳波(EEG)を同時記録するという手法(TMS-EEG)において,より正確にデータ取得するための画期的手法(自画自賛!)を報告したものです.

この手法により,ある運動課題や認知課題などを行っているときに活性化される脳部位間のつながりや時間的活動変化などが明らかとなります.あるいは刺激で得られる誘発脳波の周波数解析により,どの周波数帯域に変化があるか,特徴的かなどが明らかになるわけです.

しかしながら,通常TMSを与えると電気的な刺激アーチファクトが脳波に乗ってしまいます.特に刺激直後の誘発脳波に関心がある場合,刺激直後から大きなアーチファクトが邪魔をして脳活動を反映する脳波は全く分からなくなってしまいます.

その要因のひとつは,脳波計が刺激による大きな入力によって飽和してしまうことが問題となります.ですから脳波計が飽和しないようにsample-and-hold circuitなる回路が組み込まれた脳波計や入力ダイナミックレンジが非常に大きな脳波計などが開発されています.前者は簡単に言うと刺激が入る前に一度アンプを切って,刺激が終わった後に再度つなぎ記録を再開する回路を備えたもので,後者はある程度大きな入力電圧であっても飽和しないようになっているものです.したがって,これらの脳波計を使用すればTMSとの同時記録に利用できる?はずなのです.

が・・・しかし,実際はこのような脳波計を使用してもTMSによる刺激アーチファクトが入ってしまいます.私はこれを残存アーチファクトと呼びました.
つまり,刺激によって発生する電気的ノイズは,上記のような脳波計を用いれば除去できるのですが,それ以外にもアーチファクトを発生させる要因があるということです.

私は何度も何度もTMS-EEGの実験を繰り返すうちにあることに気づきました.それは,刺激コイルの刺激方向を変えると今まで大きなアーチファクトが乗っていたチャンネルでアーチファクトが非常に小さくなったり,今まできれいに記録できていたチャンネルが逆にものすごく大きなアーチファクトが入ったりするということでした.

ということは,コイルの刺激方向を固定したとしたら,頭皮上を這っている電極のリード線をいろいろ動かすとアーチファクトの入り方も変わるのではないかという考えが浮かんだ訳です.

脳波の電極を使って四角の回路を作り,刺激コイルの中心位置は変えないようにして5種類の方向にコイルを回転させ,刺激をしてみました.このとき刺激コイルは8の字型のコイルが二つ並んだものを使用しました.このコイルは右のコイルと左のコイルでそれぞれ逆向きに電流が流れます.したがって右ねじの法則で知られているように2つのコイルでは各々逆向きに磁束が生じることになります.例えばそれぞれのコイルはドーナツ型をしていますからその中心の穴を通る磁束に関して考えてみると,右では上から下へ,左では下から上へ磁束が走るわけです.

四角の回路に話を戻すと,その回路に右のコイルと左のコイルが同程度作用するように配置するとそれぞれの磁束が打ち消し合うことになります.ここで出てくるのが,誘導起電力というもので,回路の平面状を垂直に貫く磁束の時間変化率に比例してその回路に電気を流そうとする力が働きます.これが残存アーチファクトの原因です.したがって,左右のコイルの磁束が打ち消し合えば誘導起電力は発生せず,残存アーチファクトは記録されないということになります.

回路を作ってこれらを確認し,実際ヒトの頭でこの理論にしたがい電極リード線を引き直し,再配置することで残存アーチファクトが劇的に小さくなることが分かりました.

この手法により,刺激直後の誘発脳波を検討することが可能になります.今,この手法を用いて考えているネタがありますが,それは結果が出たところでまたご報告させていただこうと思います.



タグ:hiro
posted by fifss at 19:05| Comment(0) | インフォメーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月13日

子供たちへ「動くこと」の助けをお願いします

御無沙汰しています。
研究員2年目になります寅嶋(桜井)静香です。
今年度、平成23年度もどうぞ宜しくお願いいたします。


・・・今回の震災で、多数の方が多くの被害を受けました。
心より御見舞申し上げるとともに、少しでも小さな力を使って
大きな力に変え、何かしらできることをしたいと日々考え、
実践しているところです。

私の祖母を始め親類の多くが今大変な状況に陥っています。
電話で状況を耳にするたびに涙がでます。

でも、一生懸命前に進もうとしている姿勢も同時にあります。

親類の一人が申していました。


「できることを淡々と行うのは当然のこと。
平和に過ごしているのは何より。
でも、少しでよいから被災地へ思いを馳せてほしい、
思いを。それだけでいいから。」


彼らが発する言葉は真実です。
本当に想像を超えた状況にいます。

私はなかなかその状況を完全にうけとめることができずに
この1ヶ月間苦しみました。
考えました。
様々な思考を巡らしました。


そこから生まれた結論は、
自分ができることをひたすら地道に行うこと。
日々生活ができている今に強く感謝すること。
そして
少しでも元気になってもらえるように
自分ができるサポートを自分の生活を大切にしながら行うことです。

物資をところどころにおくったりしましたが、
何より毎朝思いを馳せ、自分と同じ子供をそだてている被災地の母たちへ
何か届けられないか、子供さんへ届けられないか、
数人で力をあわせて思考しているところです。


ひとつボランティアとして被災地へ入っている方へお願いです。

知人の子供さんはとにかくあそびたがっていました。
いとこの子供は身体を動かしたがっていました。


少しでいいのです。
ほんの10分でも、みんなで騒ぎながら走り回ったり
動きまわったりすることを許してあげてください。
そして少しでいいので付き合ってあげてほしいのです。

子供は本来動く生き物です。
私の子供たち6,3,1歳はみんなとまっていることは
ほとんどありません。
遊びたいという本能が子供にはある。
そこをちょっとした刺激で引き出してあげてほしいのです。

多少でも気分転換になる、
運動はすこしずつの積み重ねが大きな力を生み出す
とても大きなパワーをもっています。

少しでいいです。
子供たちの本能を欲求をさせてあげてください。

ある評論家の方のコメントが朝日新聞で取り上げられていました。
被災地でこそスポーツ活動を、というものでした。

ぜひお願いします。
私はなかなか今の状況では被災地へ入っていけませんから。
他者へたくすしかありません。
お願いします。

今年度はもう少し、運動やスポーツの奥深さや楽しさを
ブログで丁寧にお伝えしていきたいです。

今年度こそは・・・
たくさんの方へ運動のおもしろさ、届けなければ!
そんな思いでおります。

寅嶋(桜井)静香

御蔭さまで「ジムに通う前に読む本」が3万部いきました。
ありがとうございます。
posted by fifss at 11:32| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月30日

スポーツカウンセリング入門 本日発売

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本日、拙書 「スポーツカウンセリング入門」が講談社より発売されます。
これまで、本邦にはスポーツカウンセリングの教科書は殆どありませんでした。
これまでに出版されたものは、

永島正紀先生: スポーツ少年のメンタルサポート
中込四郎先生: アスリートの心理臨床
訳書(辻秀一先生ら): 実践例から学ぶ競技力アップのスポーツカウンセリング

の3冊のみです。これらは、入門書ではなく予備知識のない人には、難しいか、あるいはエッセイ的な読み物でした。本書は、何も知識のないところから、カウンセリングというものの考え方について、やさしく分かりやすく解説してあります。また、説明の際の例をなるべくスポーツに関連したものを用い、実際の場での応用がしやすいようにも工夫してあります。本書の最後には、実例のエッセンスを集約した何例かの架空のケースを上げて、対応について実際的に説明してあります。

スポーツカウンセリングに関連した人たちだけでなく、アスリートや指導者、学校教員、青少年スポーツ関連者や親御さんたちにも読んでいただきたい本だと思っています。

どうぞよろしくお願い致します。

著者 内田 直
スポーツ科学未来研究所 所長

posted by fifss at 08:15| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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